FINISH

建築の完成は、施主の理解はもちろんの事、施行会社の全面的協力が有って成し得る。完成写真は、写真家松田修一氏による撮影写真。

外観。敷地の間口16mいっぱいに「長屋門」を抽象的に表現し、店の構えを創り上げる。既存建物の縦のプロポーションを横のプロポーションに変え店構えに安定感を与える。

アプローチを見る。稲田石を加工した水盤を横目に、長さ4m巾1.4m厚さ40cmの石橋を渡り店舗内に入る。

外観夜景。ライトアップされ日が落ちた街に店の顔を浮き上がらせる。店のファサード自体をインパクトの有る広告塔としている。

アプローチ夜景。

１階ホール。内部は、現代的でハードな外観に対照的に、天井に手漉の和紙を貼り、木、石、等有機的な素材を使い柔らかな空間を創っている。既存建物の制約された空間を解決するために、低い天井に和紙を貼りそれを光天井とする。それにより圧迫感を無くし軽い空間とする。南側窓から、円形の池、東屋が見える。

元駐車場だった所に円型の池を挟み込み、6棟の東屋を設ける。是により、狭い空間が2倍のボリュームとして横方向に広がる。外部に設けられたそれは、小さなアジアンリゾートがイメージされ、ガゼボを模した6棟の小さな東屋が池の周りに密集した形で配される。

東屋夜景。店の中心である太極を模した池に映し出される1階ホールの和紙の光天井が水に反射しゆらぎの中で食事をする。店舗ということも有り遊び心の有る空間に成っている。

東屋内部。あえて狭い空間を作ることにより、現在の知らず知らず離れた、家族の距離、親とこの距離、人と人の距離を縮める。

２階ホール。紫色の八角柱を６本並べる。着色はしていない。

階段踊り場に、大村俊二氏作品「月に向かう花」を展示している。２階に上がる時に見ることになる。