オリヴェッティ社ショールーム

カルロ・スカルパは、イタリア、ヴェネツィアの建築家である。このショールームは、サン・マルコ広場のアーケードの一角に有る約間口4m×奥行き20mのタイプライターを展示する小さな店舗である。膨大なデッサン、スケッチから搾り出されたそれは、芸術品にまで完結された部分、ディテールの集積で有り、部分と部分の緊張的調和空間である。小さな店舗を偉大にし、時代に左右されない名作としている。部分の扱いこそ違うが、洗練された職人の技術に裏打ちされた素材の集積は、日本の待庵、桂を思わせる。

サンジョルジョ・マッジョーレ島からサンマルコ広場方向を見る。広場の大鐘楼が見える。

カルロ・スカルパの墓、ブリオン家の墓地に眠る。息子トビア・スカルパによるデザイン。

イストリア石の社名版

エントランス

アウリシーナ石の階段。

サン・マルコ広場に面した、窓。

逃げの無いディテールは、怖さをも感じる。

素材が出会う所に物作りの精神が宿る

タイプライター展示台。

店員に頼み込み、店の中に座り込んでディテールのスケッチをした。シエスタで、店は直ぐに閉められ何度か通った。